大空の取材最前線(5)小畑和彦
●騒音と報道の自由
・報道ヘリは騒音を気にしながら、オウム真理教事件で飛び続けた。
・[松本智津夫の初]公判終了後も、……松本被告の護送車が東京地裁を出ると、ヘリは一団となって東京拘置所に向かった。飛んだヘリは22機、翌日の第2回公判では朝だけで14機に達したという。拘置所周辺の住民から騒音苦情が寄せられ、警視庁は各社に飛行自粛を要請した。……本社パイロットは、護送車を追跡する多数のヘリを見て「まるで空中戦。オウム事件が異常なら、その機数も常軌を逸していた」と言う。
・昭和天皇の大喪の礼、皇太子結婚祝賀パレード、雲仙・普賢岳の火砕流被害などで、代表取材した例はある。皇室の行事や国賓の来日などで、飛行自粛にも協力してきた。/しかし、報道の自由を守[るためには]、あくまで自主取材が原則である。
・「騒音苦情は氷山の一角。不快感を覚えている人は多いはず」と、パイロットの一人がつぶやいた。